LIVE REPORT

GRAPEVINE presents
GRUESOME TWOSOME
guest:UNISONSQUAREGARDEN
in Zepp Osaka Bayside
2017.5.28

グレイプバインバンツアーのラストは、ユニゾンスクエアガーデンとの大阪公演。

エアリアルエイリアン」から始まったユニゾンは、ポップのフォーマットでロックし続けるスタイルは変わらずだった。田淵の能のようなベースプレイと鈴木のタイトなドラミング、そして一貫してクールなギター&ボーカルの斎藤が織りなすアンサンブルは所謂踊れるロックというジャンルでありながらも、その他を寄せ付けないダンサブルさを持っている。サウンドとしてのロックを貫きつつも、歌としてのメロディアスさがユニゾンのポップ・ミュージックとしての可能性を何倍にも高めている。今回も、彼らのロック・サウンドが加速すればするほど「クローバー」が会場に鳴り響いた瞬間にガラリと空気感が変えてしまう。これはポップ・マジック以外の何物でも無いだろう。ラストの「シュガーソングとビターステップ」はまさに今のユニゾンな曲なのだか、改めてライブという場で鳴り、機能した結果、この曲にあったロックとしてのノリとダンスミュージックとしてのノリ、ベースが作り出す横ノリがすべて放出されていることを実感。彼らの現在地をしっかり確認することができるアクトだった。

バインはいつもの大阪ならではのノリで登場。「ふれていたい」から始まった。バインはロック・バンドであるからこそ、レコ発公演で無い場合は、既発曲を織り交ぜたセット・リストでアレンジも変化していく。2曲目は「Golden Dawn」昨年は4つ打ちがよもや、はやり言葉となってしまったが故。ニヒルなバインはそこから、テクノな展開を見せてくれた。今回は、そこまではいかなかったが、音響系とサイケデリックの間を行き来しつつ。そこからは彼ら得意の長く粘つく世界観を曲を重ねるごとに構築していった。そして”デビューから20年を経て、ついに武器を手に入れた”という冗談のようなMCをはさみつつ、新曲「Arma」が放たれた。楽曲はバイン王道のロック・チューン。歌詞には”武器”もでてくるが”あなた”という歌詞も対比されている、田中らしい詩になっているようだ。今回、バインの演奏を聴いて感じたのは、どうも奇妙に完璧なノリが渦巻いているということ。20年を経てたどり着いたと言えば安易だが、それもあるかもしれない。とにかく今のこの5人の響演はサイケデリックや音響系が渾然一体となった異常な高揚感を有している。つまりそれが2017年のバインのノリなのかもしれない。

アンコールの最後、グレイプバイン&斎藤のメインボーカルで「光について」が演奏され、終演した。

一夜にして、ユニゾンスクエアガーデンとグレイプバイン、2組の現在地を見ることが出来た貴重な対バンライブだった。