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ロック評論家 ROHITOのブログ

DISC REVIEW


BUMP OF CHICKEN『リボン』

―新しいバンプの始まり―

 『Butterflies』でバンプというバンドは藤原基央を巣立った。「アンサー」はその後の藤原基央側の物語だとするなら、この「リボン」は旅立った後のバンプ、その物語の序章と言えるだろう。
藤原基央の元を旅立ったバンプは今、彼の物語の登場人物だった“旅人”と入れ替わるように、仮想空間(未知の領域)に存在している。(あの旅人は現実の世界で藤原基央と一つになった)
 “ここはどこなんだろうね/どこに行くんだろうね/誰一人わかってないけど”
 新たに旅立ったバンプは今こういった気持なんだろう。新しい景色を見ようとする人はいつだってそういう場面に出くわす。
 偶然か意図してなのか、この曲が起用されている某CMのストーリーもタイムスリップによる、異次元への旅が描かれている。まさにこの曲はそういう意味を持つ。
 何もない休日での心臓のリズムにも似た速さで曲は進み。この4人のメンバーのつながりを確かめるような歌詞が乗っていく。最も印象的な歌詞は、曲の中盤にくる“僕らを結ぶリボンは 解けないわけじゃない 結んできたんだ”という部分。藤原基央の、自身のバンド、メンバーに対しての強い思いが滲みでていると感じた。
 そして、藤原基央の思いに増川弘明のギターのメロディ―と直井由文のベースのリズムが共鳴するかのように響き、終盤の升秀夫のスネアドラムの打音が高まっていく部分は、4人がリボンで強く結ばれていく様を体現しているかのようだ。
 今作の繰り返されるドラムの音からは、どうも原始的なリズムを感じてしまう。陳腐な言葉かもしれないが、音楽は魔法だ。その音で、過去とか未来に繋がってしまう恐れだってある。今のバンプはどこにだっていける。 
「リボン」はその始まりにはもってこいの曲になった。いつかまた、公転周期の巡り合わせで、藤原基央本人と出会えることもあるかもしれない。それまでは、このリボンをぎゅっと結び続けるしかないだろう。

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