DISC REVIEW
『ノーメイク』
―マイクをステージに置く前に―
本曲にはアーティスト足立佳奈vsリアル足立佳奈という視点が存在する。『まちぼうけ』と同様に恋愛ソングで、作曲はCarlos K.との共作。90年代後期以降のソウル感をもった楽曲に仕上がった。
歌詞の中には対立する二人の彼女がいる。《ああ 何ものでもない/私になれれば…/そんな話ありえないよな》はリアルな足立佳奈視点。反対に《Baby もう忘れて今夜は/あなたの腕の中で/眠りにつければそれでいい/思い描いてた理想と現実が違っても/あなたといられるのなら》はアーティスト足立佳奈の視点と捉えられる。つまりは、サビ自体にメイクが施されていた。
最近ミニスカートの女子が多い。不景気という説を思い浮かべたが、好景気という説も。まあ、ミニでもロングでもどっちでもいいんだろう。
アーティスト生命は長きに渡る場合も短命に終わる場合もある。どちらが正しい訳では無い。双方の足立佳奈が納得できる着地点があると思うし、そこでの彼女はもちろんノーメイクだろう。