2017-01-01から1年間の記事一覧

DISC REVIEW

CRUNCH『てんきあめ』 ―take care.ー “はやりやまいはやはりやばい” とある駅舎で、綿矢りさの『蹴りたい背中』がすごいと友達が勧めてきた。この冒頭の一文が韻を踏んでいるところ。まずそこが凄いと熱弁してきた。当時は00年代初頭、海外ではロックにヒッ…

DISC REVIEW

GRAPEVINE『ROADSIDE PROPHET』 ―グレイプバインという名の進化論― 不確かな記憶だが、田中和将はフランス映画とか渋谷系が苦手だったそうな...。私はそれに対してツッコミたい。グレイプバインほどフランスっぽい日本のバンドはいやへんし、渋谷系以上に渋…

LIVE REPORT

GRAPEVINE TOUR 20172017.10.15in Live House浜松窓枠 ―ROADSIDE PROPHETの行く末― 2017年のツアーを終えたときグレイプバインがどんな変化を遂げているかは分からない。だが、ツアー序盤のLive House 浜松窓枠公演を見て、20周年のその次を見据えたバインな…

ROCK CLASSIC

T.レックス『電気の武者』T.REX『ELECTRIC WARRIOR』 ―T.レックス創成期― だいぶ前の話だが、今のロック・バンドはみんなレディオ・ヘッドになろうとしていると、マドンナが言っていたらしい。 小さなコンプレックスに悩まされて人は誰でも誰かになろうする…

ROCK CLASSIC

ニール・ヤング『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』NEIL YOUNG『AFTER THE GOLD RUSH』 ―失われた共通言語― ~序章~1970年。世界はまだ一つの言語で成り立っていた時代(?)全ての宝は持ち去られた後だったが、まだ言葉は通じる世界だった。そして、2017…

DISC REVIEW

GRAPEVINE『Arma』 ―継続は力なりと言わない、こともない― 多分、新聞で読んだと思うけど、漫画家の尾田栄一郎が秋本治に、なぜ休まず継続できるかを聞いた、すると一言「頑張るんだよ」と言ったらしい。 田中和将に、ずっと作品を出し続けるってすごいです…

DISC REVIEW

ART-SCHOOL『スカートの色は青』 ―彼女のヒトミの中に― 発明家がすごいのは、何もないところから何かを作り出すことにある。つまりゼロからイチを生み出すことが最も素晴らしいことなのだ。 初めてのものはなんでも素晴らしい。言うまでもなく、初めて異性と…

ROCK CLASSIC

ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス『エレクトリック・レディランド』THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE『ELECTRIC LADYLAND』 ―ジミヘンが死んだ理由― 酒と女とロックンロールって古典的な名言を呟いてみる。 昔、沖縄の人から、なぜ人間はお酒を飲むと…

DISC REVIEW

BUMP OF CHICKEN『記念撮影』 ―ネガとポジの先に向けて― 藤原基央は常に物事の両側面を歌ってきた。『FLAME VEIN』は強い自分を『THE LIVING DEAD』は弱い自分を描いたように、光と影、生と死、どちらをも見つめることが誠実であり、真実を捉えることが出来…

DISC REVIEW

BUMP OF CHICKEN『リボン』 ―新しいバンプの始まり― 『Butterflies』でバンプというバンドは藤原基央を巣立った。「アンサー」はその後の藤原基央側の物語だとするなら、この「リボン」は旅立った後のバンプ、その物語の序章と言えるだろう。藤原基央の元を…

DISC REVIEW

BUMP OF CHICKEN『アンサー』 ―あの手紙への返信― 今一度、BUMP OF CHICKENの作品を振り返ってみると3つのポイントがある。1つ目は『orbital period』 で藤原基央の詩の世界で歌われてきた弱い自分と強い自分との統合がなされたこと。2つ目は、「ゼロ」でバ…

ROCK CLASSIC

ザ・ドアーズ『まぼろしの世界』THE DOORS『STRANGE DAYS』 ―それっておかしくないですか~Part 7― 闘う理由も無いのに戦うって、おかしくないですか?だから、働かなくてもいいんですよ、別に。日本がこれ以上、上昇することはないんですから。というSNS上…

LIVE REPORT

GRAPEVINE presentsGRUESOME TWOSOMEguest:UNISONSQUAREGARDENin Zepp Osaka Bayside2017.5.28 グレイプバイン対バンツアーのラストは、ユニゾンスクエアガーデンとの大阪公演。 「エアリアルエイリアン」から始まったユニゾンは、ポップのフォーマットでロ…

ROCK CLASSIC

ザ・ビートルズ『リボルバー』The Beatles『Revolver』 ―33回転目の真実― “今、何回転目?” “そうね!だいたいね~” レコードの針は降りたままだった。今日はビートルズのメンバーに、「リボルバー」についてインタビューをする日。緊張が徐々に高まってき…

ROCK CLASSIC

ザ・ビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』The Beach Boys『Pet Sounds』 ―密室トリックの謎― 三十路を過ぎてから、白髪がちらほらと出始めて、あぁもう年だなと思う今日この頃。しかし、こういう発言は後期高齢者に中指を立てるような発言になるので、差し…

ROCK CLASSIC

ボブ・ディラン 『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』BOB DYLAN『BRINGING IT ALL BACK HOME』 ―見える化のススメ― どうもきつねに抓まれたような、たぬきに騙されたような気になってくる。人口知能が現れてから、それに拍車が掛かってきた。現…

DISC REVIEW

ザ・チェインスモーカーズ 『コラージュ』THE CHAINSMOKERS『COLLAGE』 ―チェンジ・ザ・ワールド――Change the World- 音楽とは、人と人とを繋げるもので無くてはならない。改めてそう思った。SNSで世界は繋がったというが、そんなのは嘘だ。ネットでつなが…