2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

DISC REVIEW

くるり 『thaw』 ―狂いゆく男― くるりの音楽とは、岸田繁の精神世界の吐露をギリギリで抑えた結果、あふれ出た結晶なのかもしれない。本作はコロナ・ショックによる自粛を見越して製作された、くるりの未発表音源アルバムである。 『魂のゆくえ』期に創られ…

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KOHH 『worst』 ―消えた玄人と増え続ける素人Ⅱ― 最近ラップ・ミュージックをしている人たちの中で引退という言葉が流行っているようで。つもりこれは、政治家が辞職しないと言って、その後必ず辞めることや、プロレスラ―が引退と言ってなんども復活するよう…

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チャイルディッシュ・ガンビーノ 『3.15.20』 ―限りなくホワイトに近いブラック― 二宮和也が昔、読売新聞の日曜版だったと思うが、俳優をやっている自分はあくまで仕事であり、どれだけ認められても結局家でゲームしているときが一番楽しいというようなこと…

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清春 『JAPANESE MENU』 ―清春的孤独のグルメ― ダウンタウンなうに清春が出演した時、“伝説のロッカー”と紹介されていて、もうそんな存在になったのかと時間の刻印を感じていた。 今作は、2016年の『SOLOIST』の続編だと私は捉えている。それ以降の『エレジ…