DISC REVIEW

CRYAMY

『crybaby』

フォークソングとエモの邂逅―

4曲入り1st シングル。益々Gt/Voカワノの歌が肝になってきた。「Pink」は1st demoからメタル感が増し正式音源へ。そして次の「物臭」が本作の肝。《誰かに言うような劇的なことなんてないし/あなたが言うようなそれなりもないよ/だってないし》とエモーショナルに展開後、1分弱のタイトでパンキッシュな「crybaby」が鳴る。最後は「ten」で、弾き語りで《そんなんでもいいでしょ?人間なんだよ》と締める。

今作から感じるのは、日本のフォークソングとエモの邂逅だ。《まだ外は冷えるから/見送りは必要もないだろう/薬局で買った缶チューハイを飲んだ/灰皿の代わりにしようぜ》「物臭」。令和でも平成でも成り立つが、昭和を彷彿させるフォークソングな切り口が、エモに転換されて、しっかり現代のポップ・ミュージックとして鳴っていることが正しい。これを大親友に捧げているところもこのバンドの肝であることを物語っている。《「キモイな」》「crybaby」と言いたいくらい。