DISC REVIEW

CRYAMY

『#1』

―日本語ロック再興―

3曲入り1st demo。バンド名はcreamのスペルミスから生まれたらしい。そこからスペルミス繋ぎでクライ・アーミーと読むと、RADWIMPSみたく強さと弱さを両立したバンドだと妄想ができる。しかしあながち違いでもないだろう。そういった価値を担えるバンドである。

Syrup16gのようなダークなエッセンスも含むパンク・ロックな「ビネガー」やART-SCHOOLを彷彿させるポスト・グランジな「ピンク」、ビジュアル系ロックのグラマラスな傾向を引き継ぐ「テリトリアル」。このデモ音源からも、一本筋が通っていながら、バンドとしての可能性が放射状に伸びている事を感じる。 

そして何にも増してGt/Voのカワノの歌う唄がすべての根源である。これが存続する限り、このバンドはどんな障壁も越える強さを持っているし、それが失われれば崩壊してしまう弱さとも隣り合わせなのだろう。

CRYAMYは00年代初期の日本のロックで飽和状態だった日本語で歌う意味を改めて復活させる存在であり、これはその産声になる。