DISC REVIEW

CRYAMY

『GUIDE』

―37.4℃の現在地―

彼等の4曲入り2ndシングル。コロナでライブが延期になったことで急遽作ることになったことを考えれば、その意味も含まれているのかもしれない。

「ディスタンス」再録(1st EP「#2」収録)では、ボーカル強め、各楽器のアンサンブルも強めで、より四方八方に弾け飛んでいるようで、コロナ過というものに向き合う感情を彼らなりに表しているともとれる。そして次の「誰そ彼」。《あなたと私がいた黄昏》という歌詞が歌われるロック。これがCRYAMYというバンドの歌う意味、骨子みたいなものが結実した地点だと思う。続いて「ディレイ」は《君が特別だったんだ》と歌うミドルテンポのロックバラード。ラストは《最後は見つめ合ってるだけ》と2020年の状況を俯瞰しているともとれる歌詞を歌う「戦争」というタイトルの弾き語りによるラブソング。

自主レーベルを立ち上げ後の本作は、「#3」で予兆があった“あなたと私”という歌うべき主題が結実した新たな始まりでもある。