2021-01-01から1年間の記事一覧

DISC REVIEW

CRYAMY 『CRYAMY-red album-』 ―最期はロックに救われたと言って死にたい― ロックはまだ生きている。 20年代の日本で酒と女とロックンロールを体現出来る若手バンドがCRYAMYだ。 荒くれた事を歌っている訳ではなく、たわいもない事をサラッと歌詞にして結果…

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佐藤 千亜妃 『声』 ―タイムライン・タイムラグ― 名曲の定義の一つは時間を止める力がある事だ。音楽を聴いていると時間は永遠に感じる。それは何故かというと時間が止まっているからなのだ。 きのこ帝国の「東京」は名曲だった。改めて何故名曲なのか考える…

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lyrical school 『Time Machine』 ―フィメールラッパーは笑わない― ハルカリも上松秀実もクールだった。そして同じようにlyrical schoolもクールになった。本曲のクールなトラックとリリックを歌う彼女達は2020年代的だ。 リリスクが始まった2010sは時代的…

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80KIDZ&AAAMYYY 『Magic』 ―謎解きはパンデミックのあとで― 80KIDZのAL『ANGEL』から先行配信されたAAAMYYYとのコラボ曲。作詞がAAAMYYY。作曲が80KIDZのメンバーJUN、ALI&との共作。 AAAMYYYにスポットを当て本曲を捉えると、昨年のShin Sakiura feat.AAAMY…

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BUMP OF CHICKEN 『Flare』 ―《全て君が正しい》もう一度、ハートに火をつけて― 近年のバンプのテーマは『ユグドラシル』の再定義にある。改めて振り返るとAsgard:神の世界から始まり、Midgard:人間の世界で終わる。この二つのギターソロが繋がり円環は閉…

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足立佳奈 『まちぼうけ』 -21才の足立佳奈が歌うべき事とは何カナ?― 2017年デビューのZ世代SSW。パワフルな応援ソングの歌い手から徐々に変化してきた彼女。2021年最初の配信SGは明確な分岐点になった。 「話がある」や「二子玉川」での洗練されたエモさに…

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CRYAMY 『YOUR SONG』 ―英雄なき世界へ向けた言葉― 5曲入り3rdシングル。ツアー再開後発売の本作はコロナ過の閉塞感を適切にロックへ昇華する。 1曲目弾語りは初。「HAVEN」では《どこかに行きたいのに/どこにも行けない》という歌詞が2020年に立向う姿勢を…

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CRYAMY 『GUIDE』 ―37.4℃の現在地― 彼等の4曲入り2ndシングル。コロナでライブが延期になったことで急遽作ることになったことを考えれば、その意味も含まれているのかもしれない。 「ディスタンス」再録(1st EP「#2」収録)では、ボーカル強め、各楽器…

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CRYAMY 『#3』 ―あなたはもう忘れたかしら― 6曲入り3rd EPで、CRYAMYが描くロックとは何かが明確になった。 6分49秒の「世界」。古典的なロックの律動とエモでポップな旋律、それに最適な声質が日本の70sフォークソング的抒情詩を描く。間奏からの《街を照ら…

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CRYAMY 『crybaby』 ―フォークソングとエモの邂逅― 4曲入り1st シングル。益々Gt/Voカワノの歌が肝になってきた。「Pink」は1st demoからメタル感が増し正式音源へ。そして次の「物臭」が本作の肝。《誰かに言うような劇的なことなんてないし/あなたが言うよ…

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CRYAMY 『#2』 ―絶望の再定義― 彼らの5曲入りの1st EP。現在のメンバーが揃った最初の作品でもあるが、今回でバンドのテーマ性の輪郭みたいなものが、おぼろげながら現れてきた。それが“絶望の再定義”だと思う。 「テリトリアル」は1st demoから正式な音源と…

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CRYAMY 『#1』 ―日本語ロック再興― 3曲入り1st demo。バンド名はcreamのスペルミスから生まれたらしい。そこからスペルミス繋ぎでクライ・アーミーと読むと、RADWIMPSみたく強さと弱さを両立したバンドだと妄想ができる。しかしあながち違いでもないだろう。…